光ヶ丘×SDGs
生徒会活動
光ヶ丘でこれまで取り組まれてきたSDGsのアクションには、生徒会が中心となったものも多くあります。その一端をまとめてみました。
■ハブラシ回収
ハブラシの一般的な原料はプラスチックです。プラスチックの原料は、有限の化石資源である石油。ゴミとして焼却すれば二酸化炭素を発生させます。最近では「海洋プラスチック問題」も世界的な課題になっています。そこで、2018年度より生徒会主導で、家庭用品メーカーの「ライオン」と〈捨てるという概念を捨てよう〉という理念を掲げる世界的リサイクル企業の「テラサイクル」との協働事業「ハブラシ回収プログラム」に参加し、廃棄物問題・資源問題などの環境問題を学びながらハブラシの回収に取り組んでいます。2018年度は全校で回収したハブラシを企業へ送り、ハブラシからできた「再生プラスチック植木鉢」をいただきました。2019年度からは、国際支援団体や環境団体等への寄付活動として実施しています。
■トイレットペーパーを「FSCⓇ認証紙」に
この取り組みも、生徒会役員の学習会で、「自分たちの学校生活の中で取り組めることは何があるか?」という「問い」の中からうまれたアイデアを形にしたものです。
調べたところ、2017年度のデータで本校では年間約90万メートル分のトイレットペーパーを使用していました。これは直線距離にして岡崎から北海道の洞爺湖(札幌の南)付近まで到達する長さにも相当します。紙は木質資源、つまり森林からできています。そこで、これをSDGsに貢献する視点で考えて改善するアイデアを探る中で出会ったのが「FSC®認証紙」でした。
FSC®は、Forest Stewardship Council®[森林管理協議会/本部・ボン(ドイツ)]という国際機関です。環境だけでなく森林労働者や森に暮らす先住民族の人権にも配慮した製品に認証を与えています。
王子ネピアの担当者の方による生徒会役員へのFSC®のレクチャーと商品プレゼンを経て、国連「世界トイレデー」にあたる2018年11月19日に導入を発表しました。
今回導入したトイレットペーパー「asmori」は、王子ネピアを通じてユニセフとWWFへの貢献にもつながる製品です。
生徒たちが過ごす日常の学校生活が、そのままSDGsに貢献するというとてもユニークな取り組みになっています。
なお、「ユニセフとWWFに貢献するFSC®認証紙のトイレットペーパー「asmori」を導入する学校」は、光ヶ丘女子高等学校が女子校として全国初*となりました。
(*「asmori」王子ネピア直販ルート、2018年11月現在/王子ネピア調べ。)
■国際女性デーのシンボル「ミモザ」の育苗
ハブラシ回収プログラムでいただいた「再生プラスチック植木鉢」で“何を植えるか”が次の課題になりました。
SDGsの理念にフィットする“メッセージ性のある植物”で、世代をこえて育てていける植物を・・・という中でみつけだしたのが「ミモザ」でした。
3月8日は国連が定める国際デーのひとつ「国際女性デー」。女性の権利向上を訴える日ですが、イタリアでは古くから「ミモザの日」としても知られており、男性が感謝を込めて、母親や妻、会社の同僚などに、愛や幸福の象徴でもあり鮮やかな黄色の花をつけるミモザを贈る習慣があります。そのため、最近ではミモザが「国際女性デー」のイベントのシンボルとして飾られることも多くなりました。
2018年度、世界の女性と女児がおかれている現状を「SDGs通信」で学んだうえで、2019年3月8日、生徒会長の手によってハブラシ由来の再生プラスチック植木鉢にミモザの苗木を植えました。この植木鉢は、キャンパス内にある修道院の前にある庭に置かれ、およそ1年間にわたり育苗しました。
■SDGs花壇
「ハブラシ回収プログラム」で育苗してきたミモザの苗木が大きくなってきたため地植えを検討することになり、「光ヶ丘×SDGs」のシンボルとなる花壇をつくることに。デザイン案は、「ジェンダー平等×SDGs」の活動を積極的に展開してきた「ジェンダー・プロジェクト」の生徒に依頼しました。その結果、生徒たちが提案したのは「SDGsのカラーホール」をモチーフとしたデザイン。それを東海緑化園さんが見事に造作してくださいました(東海緑化園さんにはこのミモザの苗木も寄贈していただいています)。
2020年6月5日(国連「世界環境デー」)、東通用門の横に新設した「SDGs花壇;SDGsのカラーホイールがデザインされた花壇」に、ハブラシ由来の素材でできた植木鉢で育苗してきたミモザの苗木を、校長先生、生徒会役員、ジェンダー・プロジェクトの生徒たちの手によって植樹するセレモニーを行いました。
植樹セレモニーには、東海緑化園の大橋社長様にもお立ち会いいただきました。
■このセレモニーの様子を撮影した動画はこちらをご覧ください。
これから「光ヶ丘×SDGs」のシンボルツリーとして、そして生徒たちの登下校を見守りながら大きく成長していってほしいと願っています。
【「6月5日」(世界環境デー)を植樹日とした経緯】
かねてより、生徒によるデザインの花壇の設置を計画してきましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響からしばらく花壇造作の発注を見合わせてきました。愛知県に出されていた国による「緊急事態宣言」が解除されたのちに発注し、5月22日「国際生物多様性の日」に落成することができました。休校明けすぐの日程の中で6月5日が「世界環境デー*」にあたることから、「光ヶ丘×SDGs」の趣旨にふさわしいこの日に植樹セレモニーを挙行することとしました。
*1972年にスウェーデンのストックホルムで開催された国連人間環境会議を記念し、日本とセネガルの共同提案により国連総会で「世界環境デー」として制定された国際デーで、日本では環境基本法で6月5日を「環境の日」と定めています。
■SDGs自動販売機
生徒会役員の発案が元となり「寄付型自動販売機」を校内に設置することになりました。その結果、「SDGs自動販売機」を設置・導入し、2020年10月にアンベールイベントを行って運用を開始しました。
この自動販売機の売り上げの一部は、世界とりわけ途上国の女の子の未来を変えるための活動を展開している国際NGOの公益財団法人「プラン・インターナショナル・ジャパン」に寄付されます。
今回の自動販売機は、サントリービバレッジサービス株式会社岡崎支店によって設置され、ラッピングは特定非営利活動法人「寄付型自動販売機普及協会」によるデザインです。
*このデザインの自動販売機の設置は、学校としては全国初、企業等を含めると全国で3件目の導入となります(寄付型自動販売機普及協会調べ)。
【国連「世界ハビタット・デー」にアンベール】
アンベールイベントを行った10月5日は、国連が指定する国際デーのひとつ「世界ハビタット・デー」にあたり(毎年10月第1月曜日)、世界的な人口増加や急激な都市化により深刻化している人間の居住環境の問題について考える日とされています。
このような寄付型の自動販売機が増えていくことで、「日常のアクションが世界の誰かを笑顔にする」輪が広がっていく契機になればと願っています。
また、今回導入した自動販売機は「緊急時のベンダー機能」も兼ね備えています。万が一の際にも、ドリンクを供給できる自動販売機の設置が、人の命を守り安心・安全な環境づくりに貢献できればと考えています。
【このトピックのキーワード】
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