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【校長だより】夏休みを迎えて
いと低き 幹にも蝉や 蝉時雨(富安風生)
カリタス広場の欅の木や、校庭のあちらこちらから聞こえてくる蝉時雨に本格的な夏の訪れを感じながら、夏休みを迎えた生徒の皆さんにこの便りを書いています。
夏休みに入れば、非日常的なリズムや空気の中での生活が始まります。夏休みとはいえ夏期講習、部活動・・・毎日のように登校し普段と変わらないと感じる人がいるかもしれません。
しかし学校生活の日常とは確かに異なりますから、少しでもこの期間に皆さんの心身の疲れが取れますようにと願っています。
さて、夏の風物詩である蝉について少し、調べてみました。
「蝉の幼虫は土の中で7年を過ごし、地上に出てくるとわずか1週間で死んでしまう・・」という話を聞いたことがあります。
実はこの蝉の一生が、私にはとても興味深いのです。調べてみると蝉は夏の間に枯れ木などに卵を産み付け、卵は1年近く孵化をせず、翌年の初夏に孵化した幼虫が地中に潜ります。
実際に土の中で7年も過ごす蝉は日本にはおらず、アブラゼミで3~4年、クマゼミは4~5年、私の好きなツクツクボウシは1~2年を地中で過ごします。
その後あらゆる危険を免れ無事に地上に姿を現し、夏を告げる声をあげられる蝉はごく一部だとか。
蝉の一生を思い蝉時雨を耳にしていると、蝉たちに「今こそ、頑張るとき! 頑張れるとき!」とエールを送られているようです。
さて、生徒の皆さん、この夏休みが皆さんにとって実り豊かな時間となるよう心より願っています。
勉強であれ部活動であれ、または家族や友だちとの時間・・・私たちにとって一瞬一瞬がかけがえのない恵みの時です。
ただし、「水は低きに流れ、人は易きに流れる」という言葉があるように私たちは安易な道へ、また快楽へと流されやすいです。
どこにいても何をしていても皆さんは光ヶ丘の大切な生徒たち・・・夏休み期間、さまざまな危険や誘惑から皆さんが守られ、喜びの日々を過ごされますように。