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【校長便り】 10月 平和への願いを込めて

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校長便り (10月)

平和への願いを込めて

 
 光ヶ丘では、高校2年生の普通科の生徒を対象に10月中旬に沖縄と長崎で研修旅行を実施しています。どちらに参加するかは希望制ですが、研修旅行のテーマはともに「愛と平和」としているため、沖縄戦体験者の方、長崎の被爆者の方を講師とし平和講話を聞くことになっています。今回の研修の中で長崎被爆者講話をしてくださった八木道子さんの話の中から心に響いた言葉を平和のバトンとして紹介します。

 


 「戦争は。最大の差別。原爆は一瞬にして日常生活をしていた人々をこの世から消し去ってしまった。戦争を起こすのは人間。戦争を止めるのも人間。戦争をする国になってはダメ。被爆者からの平和のバトンを受け取り、一人でも多くの人に語り継いでほしい。黙っていては、平和はやってこないのです。」
 当たり前の日常生活を、一瞬にして奪われることがどれほどの悲しみ、痛みそれ以上に容易に癒えることのない深い傷を心に負ってしまうことか…それは私たちの想像を絶する体験です。戦争そして被爆体験の講話を聞きながら、「今、いのちがある。日常生活がある。」ということがどれほど感謝すべきかを生徒たちとともに痛感しています。   

 


 日常生活の中で起きる嫌なことも、苦しいことも、笑いも、喜びもすべては私たちが「生きている」証です。今なお世界の各地で武力紛争や戦争があり、いのちの危機にさらされる中での生活を余儀なくされている、多くの私たちの兄弟姉妹がいます。

 


戦争に限らず、同じように日常生活を一瞬のうちに奪われてしまった災害被災地の人々もいます。「平和であること」それは単に戦争がないというだけではなく、すべての人の命が守られ、たとえ苦しくても希望の内に日常を生きられることかもしれません。沖縄そして長崎、国際教養科の台湾研修に参加した生徒たちが、それぞれの研修先で世界の平和そして一人ひとりの心の平和を願う祈りの集いを実施できたことも、私たちができる「平和のバトン」になれば幸いです。またこれからの歩みの中で私たちが平和の種まき人になっていけますように。