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12月 校長便り  『マッチ売りの少女』の話

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月 校長便り      R6.1月)
 

      『マッチ売りの少女』の話

 

 クリスマスが近づいてくるとなぜかしら、幼いころに読んだ「マッチ売りの少女」の絵本を思い出します。にとっても大変なじみのあるアンデルセンのこの話は、多くの家族がクリスマスシーズンを楽しく過ごしているなか、彼らとは対照的裸足で帽子もなく寒さに震えながら、街角でマッチ売り歩いている貧しい少女の話です。しかし、マッチは全く売れ夜も更けていくなか少女が暖まろうとマッチをすると炎のなかにストーブやクリスマスツリー美味しそうなご馳走などクリスマスの幻影が現れます。炎が消えればそれらは消え、火をつければまた新たな幻影……最後は、すべてのマッチに火をつけその炎の中に現れた大好きな祖母の腕にかれて天国へと旅立って行きましたそして新しい年の朝マッチの燃えかすを胸に抱え微笑みを浮かべ亡くなっている少女の姿が見つかったという少し悲しいお話です。温かい部屋で家族とともにクリスマスや年末を過ごしている人々とは対照的な少女の姿、そして煌びやかなクリスマスの様子が美しく描かれた絵本のページが今も目に浮かびます。

 

 お世話になった老神父様の言葉です。「いつも思い出してほしいこと。それは、あなたが喜び楽しんでいるその時、悲しみ苦しんでいる人がいること、また自分が楽な生活ができていることを喜ぶならば、誰かがあなたに変わり苦労を引き受け支えてくれているのだと対極の立場に置かれた人に心を向けられること、感謝できる心を持っていなさい。」 クリスマスをそして新しい年を祝う私たちの心の片隅に、紛争地で被災地での生活を余儀なくされている多くの仲間がいること、家族とともにお祝いができない家庭があること忘れることがありませんように。何もできないけれど、彼らのために祈る心、彼らの存在を心の内から消さないようにしなければと思います。

 

過ぎ去る年に感謝、そして新しい年に希望を!